知的財産権がどこよりも簡単にわかる!|著作権・商標権について2022年3月11日 公開  2024年1月25日 更新

知的財産権とは?ノベルティ・記念品制作時に知りたい権利について

著作権や商標権などをまとめて「知的財産権(知財)」と言います。

著作権や商標権など耳にしたことはあるけど、具体的にどんなことを守らなければいけないのか知らない人は多いはず。実はノベルティやオリジナルグッズを制作する際に欠かせない、とても大切なことなんです。

この記事ではノベルティやオリジナルグッズを作る上で、知っておきたい知的財産権についてわかりやすく解説していきます。

知的財産権とは

知的財産権とは、人が考えて創り出したものをその人の財産として一定期間保護する制度です。著作権や商標権などの権利があり、音楽や発明、イラストなど人間の知的創造によって創り出されたものが対象になります。

苦労して考え、多くの努力が積み重なり、出来上がるまでに時間やコストもかかる創造物。知的財産権が無いと簡単に真似をして同じものを作ってしまう人や企業が現れます。

初めに創作した人や開発した企業が本来受けられるべき利益を保護するために、知的財産権があるのです。

知的財産の対象イメージ

ノベルティやオリジナルグッズで知りたい知的財産権の権利2つ

知的財産権は大きく「知的創造物についての権利」と「営業上の標識についての権利」の2つに分かれています。その中でさらに権利が細分化されます。

「知的創造物についての権利」はアイデア、デザイン、著作物など。
「営業上の標識についての権利」はその会社の商品やサービスに使用するマークを保護するなどが目的です。

ノベルティ作成にあたり、特に理解しておきたい権利は下記の2つです。

【知的創造物についての権利】
・著作権

【営業上の標識についての権利】
・商標権

著作権とは 違反する条件

著作権はイラストや写真などの著作物を作った人(著作者)の保護を目的とする法律です。
例えば下記のようなことをしてしまうと、著作権の侵害になります。

・他の人が作成・撮影したイラストや写真を無断で使用する(トレースもNG)
・漫画やアニメのキャラクターに似せて描いた絵を使用する


自分で作成したオリジナルではないものは、必ず著作権があるものだと思って注意するようにしましょう。

商標権とは 違反する条件

商標権は会社名やブランド名、商品名などを使用する権利を登録者が独占している法律です。
例えば下記のようなことをしてしまうと、商標権の侵害になります。

・商標登録されている会社やブランドのロゴを無断で使用
・商標登録されている会社やブランドのロゴをパロディやオマージュをして使用


多くの会社名やブランド名が商標登録をしています。ノベルティを作成する際にはオリジナルのデザインをするようにしましょう。

(R) (C)マークの意味も理解しよう

ロゴやデザインの端についている(R)や (C)のマーク。見たことがあるという人が多いと思いますが、意味はご存知でしょうか。

(R)は商標登録マーク(C)は著作権のマークとしてつけています。
(R)は商標登録をしているロゴにつけることができます。 (C)の著作権のマークは登録の必要はなく、イラストなどを描いた人が自由に入れています。

(R)マーク、 (C)マークともに、つけることは義務ではないため、取ってしまっても問題はありません。しかし、ロゴやイラストをパッと見た時に商標登録や著作権をアピールできるので、特別な理由がない場合は付けたままのほうがよいでしょう。

(R)商標登録マーク、(C)著作権のマーク

こちらも注意!肖像権について

著作権と混同しやすい権利として肖像権があります。
肖像権は法律上の規定はありませんが、理解しておくようにしましょう。

肖像権にはプライバシー権とパブリシティ権の2つの権利があります。
ノベルティ作成の際にはパブリシティ権が関わってきます。

・パブリシティ権とは?
芸能人など著名人の名前やその姿(肖像)は顧客を集める力があり、商品の販売を促進することが可能。これは個人の財産的価値のため、本人が独占できるという権利。

芸能人や著名人の写真を勝手に使ったり、イラストを描いてノベルティ作成するとパブリシティ権の侵害になります。

まず確認!知的財産権違反を防ぐ5つのチェック項目

知的財産権違反を防ぐ5つのチェック項目

知的財産権に違反しないために確認していくことをチェック項目でご紹介します。

□デザインで使うものが商標権のあるロゴ(企業ロゴ)ではないか
□他人が創作したキャラクターを使用していないか
□著作権のあるイラストやデザインを使用していないか
□商標権のあるロゴやキャラクターのパロディやオマージュをしていないか
□有名人の写真を使用していないか


この5つの項目をクリアできていれば、知的財産権の違反を防ぐことができます。

知的財産権のよくあるQ&A

ノベルティ制作にあたり、気になる知的財産権の疑問についての事例をQ&A方式で紹介します。
きちんと理解し、トラブルが起きないように気を付けましょう。

【著作権】Q.自治体のキャラクターを使って記念品を作りたい

【著作権】自治体のキャラクター

A.
キャラクターは使用料としてライセンス料を払い、使用許諾を得ることが必要です。無断で使用することはできません。

自治体のキャラクターを使いたい場合には、自治体に申請し、ライセンス料を払って使用するようにしましょう。

【著作権】Q.すでに存在しているキャラクターの色を変更して印刷できる?

【著作権】すでに存在しているキャラクターの色を変更

A.
キャラクターの色は規定されているため、勝手に変えることはしてはいけません。

有名なキャラクターはフルカラーのパターン、モノクロのパターンなど細かくレギュレーション(マニュアル)が設定されています。

必ずレギュレーション(マニュアル)を守って使用するようにしましょう。

【著作権・パブリシティ権】Q.好きな芸能人の写真を使える?

【著作権・パブリシティ権】芸能人の写真を使いたい

A.
芸能人の写真を無断で使用するのはパブリシティ権の侵害になります。

また、写真は著作物にもなるため、著作権の侵害にもあたります。芸能人の写真を使用したい場合には著作権を持っているカメラマンと芸能人の事務所へ許諾をとるようにしましょう。

ただ、個人で楽しむものとしての私的使用であれば許可は必要ありません。私的使用とは「その使用者のみが複製できる」が原則なので、個人で全て手作りする方法が該当します。業者に依頼する場合は私的利用範囲外になるので注意が必要です。

私的使用のものでもSNSやホームページで公開したり、友達にプレゼントしたり、販売し利益を得ると著作権法違反となります。

【著作権・商標権】Q.有名ブランドや企業ロゴを真似して記念品に印刷したい

【著作権・商標権】有名ブランドや企業ロゴを真似する

A.
有名ブランドや企業ロゴのパロディやオマージュは著作権の侵害や場合により商標権の侵害になります。
許可なしでは作成することができません。

【著作権・商標権】Q.卒業記念品に校章を印刷したい

【著作権・商標権】卒業記念品に校章を印刷

A.
校章は著作物となるため、使用する際には許可が必要です。

学校名に関しては著作物に当たりませんが、商標登録されているケースが多くあります。

校章や学校名を使用する際には学校側へ許可を取るようにしましょう。

【商標権】Q.企業のロゴマークをバッグに印刷したいけど大丈夫?

【商標権】企業のロゴマークを印刷

A.
無断で企業ロゴを使用するのは商標権の侵害になります。
使用したい場合には必ず、そのロゴの権利者に許可を取りましょう。

知的財産権に違反した場合どうなる?罰則の解説

知的財産権に違反した場合

知的財産権に違反した場合、罰則が科せられます。

・著作権侵害の場合
10年以下の懲役、または、1000万円以下の罰金
法人の場合は、3億円以下の罰金

・商標権侵害の場合
10年以下の懲役、もしくは、1000万円以下の罰金、またはその両方
法人の場合は、3億円以下の罰金

安易な気持ちで著作権のあるキャラクターやロゴを使ったり、パロディにすると懲役や罰金の罰則が科されます。
どうしても使用したい場合には著作者の許可(写真の場合は撮影者の許可)をきちんと取るようにしましょう。

まとめ

ノベルティ・オリジナルグッズ制作に欠かせない権利である、知的財産権についてわかりやすく解説しました。
有名なロゴやキャラクターなど「好きだから」「かっこいいから」といった理由で安易に使用してしまうと、法律違反になってしまいます。
知的財産権を良く理解した上で、オリジナルのノベルティグッズを作成しましょう。

2022年3月11日 公開 2024年1月25日更新

この記事を書いた人

なべこ

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