細かいデザインの印刷
―つぶれ、かすれ、にじみについて―
細かいデザインの印刷をする場合、線幅や抜き幅、素材との相性を考慮する必要があります。さまざまなデザイン・商品・印刷方法ごとの懸念点を画像と併せて掲載しますので、ご参照ください。
ご入稿データはスタッフがチェックを行い、懸念がある際はお客様にデザインの修正をお願いする場合がございます。
つぶれ
線や文字の抜き幅が細いと、一部がつぶれて印刷される場合があります。特にベタ面にヌキ線を施したデザインなどで発生しやすいです。また、キャンバス素材は生地の凹凸の影響を受けるためつぶれが発生しやすくなります。
小さく画数の多い文字の間がつぶれてしまう例
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商品写真(キャンバス) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真
ベタ面内の隙間が狭いため、ベタにのまれた隙間がつぶれてしまう例
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商品写真(キャンバス) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真
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商品写真(Tシャツ コットン100%) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真

つぶれを出しにくくするコツ
線同士の隙間が狭い場合、つぶれが発生しやすくなりますが、大きくデザインが変わることはほとんどありません。
つぶれを避けたい場合、線同士の隙間を広げるなどの調整を行うことで、よりきれいに表現されやすくなります。
かすれ
小さいロゴやイラスト、デザインや細い線はかすれが生じやすくなります。商品の素材にもよりますが、線幅は0.7~1pt以上がおすすめです。
線が細いため、部分的にかすれてしまう例
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商品写真(キャンバス) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真
文字が小さいため、部分的にかすれてしまう例
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商品写真(シーチング) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真
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商品写真(Tシャツ コットン100%) -
印刷データ -
印刷部分拡大写真

デザインを欠けさせないコツ
データを作成する際は、強調したい部分を太くしたり、拡大したりすることで、よりきれいに再現されます。
ゴシック系書体にするのも一つの手です。また、目が細かいシーチングやポリエステル素材はかすれにくくなります。
網点・ドットの表現
網点やドットの目が粗すぎたり細かすぎたりすると、インクの目詰まりが起き、点同士がくっつく場合があります。
均一な網点の例
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印刷データ -
印刷部分拡大写真 -
ドット同士の距離が近いため、一部がくっついて大きな点に見えています。特に、キャンバスバッグなどの織目が粗い素材や、プラスチックなどの表面に軽微な傷がつきやすい素材で発生しやすい現象です。
グラデーションになっている網点の例
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印刷データ -
印刷部分拡大写真 -
グラデーションを網点で表現したデータです。
色が濃くなるにつれて点の密度が上がり、点同士のくっつきが生じています。
ただし、点同士の密度の差が濃淡表現につながるため、デザイン全体に影響がないケースがほとんどです。

網点・ドットの仕上がりについて
網点・ドットは、色の濃淡やグラデーションを1色印刷で表現できます。
入稿する時のデータが網点かドットかによって、粒の仕上がりや再現も異なります。特にグラデーションはドット同士のくっつきが濃淡表現になるため、データ上の隙間はあまり気にせずご入稿ください。
素材別 色ムラ、凹凸、毛羽立ちなど
ノベルティ商品への印刷は、生地表面にインクを乗せる方法がほとんどです。
そのため、濃色の商品に白いインクや淡い色のインクで印刷すると、本体の色がやや透けた見た目になり、特にベタ面で目立ちます。
また、一部の素材では印刷面に生地の影響が出やすくなります。
フリース素材
素材に毛羽立ちがあるため、ベタの多いデザインや細かい線を含むデザインは、印刷色に関わらず色ムラや欠けが発生しやすくなります。




デニム生地
素材の色味が濃いため、印刷面に本体色が強く影響し、色ムラが発生しやすくなります。特にベタ面で目立ちます。



不織布素材
表面に凹凸があるため、凹の部分にインクが多く乗って色味が強く出ます。特に濃い生地色はインクの発色が変化しやすく、凹凸がやや目立ちます。




レザー調、革素材
革独自の表面模様にインクが乗るため、にじんだような見た目になったり、ポツポツと穴が空いたように見えたりする場合があります。
商品凹凸部分にインクが溜まり、濃淡が生じる例


表面凹凸部分にインクがのらない例


ジュート素材
麻が毛羽立って印刷面に影響が出る場合があります。特に文字のデザインを細い線にすると、毛羽や織目にかかり読みにくくなる場合があります。
毛羽立ち影響 例


素材表面凹凸部分への影響 例



デザインを綺麗に出すコツ
素材による懸念の事例写真は全て拡大写真です。懸念のあるデザインが印刷範囲に対して小さいときは、俯瞰して見た時に気にならない場合もあります。
印刷に懸念のある素材をご検討の際も、デザインが再現できるよう提案や調整をさせていただきます。
印刷×素材別 仕上がり事例
素材や印刷方法によって、同じデザインでもかすれやつぶれの発生が起きたり、全体的な仕上がりが異なったりする場合があります。
シルク印刷・パッド印刷
シーチングやキャンバス、紙やウェア類など、素材の特性によって仕上がりに差が生じます。
シルク印刷
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キャンバス -
シーチング -
ポリエステル -
不織布 -
ノート表紙 紙製 -
ノート表紙 レザー調 -
Tシャツ コットン100% -
Tシャツ ドライ
パッド印刷
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ノート表紙 紙製 -
ノート表紙 レザー調 -
プラスチック -
木製品
シルク印刷とパッド印刷の違い
パッド印刷はワンポイントなど細かいデザインの再現に向いている印刷方法です。使用するインクの量が少ないため隠ぺい率は比較的下がりますが、ボールペンなどサイズが小さい商品に低価格で名入れができます。
対してシルク印刷は大きな商品への広範囲の印刷に向いている印刷方法です。インクを多く使用するため隠ぺい率が上がります。布素材のバッグやTシャツなどのウェア類をはじめ、プラスチックや木製品など幅広い素材の商品に名入れができます。

箔押し・空押し
箔押し




空押し


レーザー彫刻
金属製品
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アルミ素材
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ステンレス(塗装なし・素地) -
ステンレス(塗装あり・粉黛塗装) -
ステンレス(塗装あり)

レーザー印刷の仕上がり個体差について
レーザー印刷は表面を削って刻印する印刷方法です。
素材やロット、塗装の有無により、仕上がり(色味や見え方)に個体差がございます。また、事前にお送りするイメージ画像とも仕上がりが異なる場合がございます。予めご了承ください。
木製品
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塗装なし -
塗装なし -
塗装あり -
塗装あり
ヤニのにじみについて
木製品は自然素材なので、加工後にヤニのにじみが発生する場合があります。ヤニとは樹脂のことで、木材にとってはかかせない重要な栄養分の一つです。
通常は乾燥により木材中に定着しますが、レーザー光の熱によりしばしば染み出してきます。レーザーの照射力を強くすると焦げが濃く、彫を深く彫刻することができますが、ヤニが出てしまう原因にもなります。
照射のスピードとパワーを調整しつつ、ヤニを極力出ないぐらい仕上がりになるよう加工を行いますが、商品や木の種類によっては個体差が出やすくなることを予めご了承ください。

デザイン作成のコツ
印刷の再現性を上げるためには、線幅と抜き幅の基準値を超えている必要があります。最低でも目安の線幅・抜き幅を確保したデザインになるよう、修正をお願いいたします。
線幅は0.3mm以上、抜き幅は0.5mm以上を推奨
線や抜きの幅が細いとかすれやつぶれが発生する可能性が高くなります。素材によってはより線幅・抜き幅を持たせる必要があります。
ベタ面と細い線はなるべく一緒にしないように
ベタ面の再現にはたくさんのインクが必要となり、近くある細い線や抜きはかすれ・つぶれが発生しやすくなります。逆に細い線や抜きの再現を優先するとベタ面にかすれが発生する場合があります。
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印刷データ -
印刷部分拡大写真

データ作成に迷ったら
素材によって必要な線幅や抜き幅は異なります。お送りいただいたデータについて、スタッフから修正依頼をする場合がございます。
デザイン内にベタと細い線・抜きが混在していても、商品素材やデザインによっては対応可能なことがありますので、不安な場合はぜひご相談ください。
プロのスタッフが丁寧にサポートいたします!
お困りの際はどんなことでもお気軽にご相談ください

権利商標マークについて
権利表示マークは、データ全体に対し右下隅などに小さく配置されることが多く、かすれやつぶれが出やすくなります。マークを小さくしすぎない、適度な線幅にするなど工夫が必要です。
小さすぎたり、線を細くしすぎたためかすれてしまったケース
小さすぎたり、線を太くしすぎたためつぶれてしまったケース

マークを配置する時の確認事項
「権利表示マークはきれいに印刷できなくてもよい」という場合は、修正なしでの印刷方法も承っております。スタッフからつぶれやカスレの可能性をご案内させていただきますが、その旨をご教示ください。
はっきりと表示させたい場合は、お手数ですがサイズや線幅の調整をお願いいたします。
すべてのデータがきれいな
仕上がりになるよう
スタッフが入稿から印刷まで
サポート・確認します

データ作成でお困りの際はご相談ください!
ご指定の文言や支給画像からデザインを作成

ロゴや画像とご希望の文言を組み合わせ、印刷データを作成します。デザイン専門スタッフが最適なバランスをご提案します。
画質が低いデータをトレース
印刷に適した形式に修正

低解像度のデータしかなくても大丈夫。ロゴやイラストのトレースに対応しています。印刷用にキレイに整えてご用意します。
フルカラーの画像を
グレースケールや2階調に変換

濃淡・グラデーションを
2階調の
網点に変換

コーポレートカラーなど
色見本に合わせて印刷対応

背景切り抜き

足りない背景の拡張
AI生成で
背景の追加

QRコード生成

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ノベルティ制作に関してご不明な点など、
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